自由に生きるあなたに楽天モバイル

前書き:通信の「常識」が変わるとき──楽天モバイルという選択肢

今、私たちの生活において「スマートフォン」は、もはや単なる連絡手段ではありません。SNSで人とつながり、YouTubeやNetflixで映像を楽しみ、地図アプリで道に迷わず、銀行やショッピングもアプリで完結する──あらゆる行動がモバイル端末を中心に展開されています。そんな日常において、通信回線は水や電気のように「絶対に必要なインフラ」となりました。

ところが、その通信インフラを支える「携帯電話サービス」は、いまだに古い慣習や制約に縛られている部分が少なくありません。毎月の固定料金が高い。無駄なオプションが付いている。解約に手間がかかる。契約内容が分かりづらい……そうした不満を、あなたも一度は感じたことがあるのではないでしょうか?

そうした不透明さや不便さに風穴を開ける存在として、ここ数年で急成長しているのが楽天モバイルです。2020年4月に第4のキャリアとして本格参入した楽天モバイルは、従来の「携帯業界の常識」を大胆に覆す料金体系や、オンライン中心の申し込み・サポート体制、自社回線を使った柔軟なエリア展開など、これまでにないアプローチで注目を集めてきました。

「1GBまでなら基本料金無料」「使った分だけ支払う段階制」「契約期間の縛りなし」「解約金ゼロ」といった、シンプルかつ合理的なプラン設計は、生活スタイルが多様化する今の時代に、ぴったりとフィットします。特に、テレワークや地方移住、ノマドワーカー、副業・フリーランスとして活動する人々にとって、「通信費の見える化」や「契約の自由度」は、大きな安心材料となるのです。

この記事では、楽天モバイルの基本情報から、料金プラン、通信エリア、通信品質、サポート体制、そして実際に利用してみたユーザーの声まで、多角的な視点から詳細に解説していきます。「格安スマホに興味はあるけど、なんとなく不安」「楽天モバイルってよく聞くけど、本当に使えるの?」という方にとって、判断材料となる実用的な情報を提供することを目的としています。

まずは、楽天モバイルがどのような会社で、どのようなビジョンのもとに通信事業を展開しているのか。その背景を知ることから始めていきましょう。

楽天モバイル 解説記事構成

  1. 楽天モバイルとは?──企業背景と事業の特徴
  2. 料金プランの仕組み──使った分だけ支払う「Rakuten最強プラン」
  3. 通信エリアとネットワーク品質──自社回線+パートナー回線の仕組み
  4. サービス・機能の特徴──無制限・通話アプリ・海外対応など
  5. 申し込み・解約の流れ──シンプルな手続きとオンライン完結
  6. 楽天ポイントとの連携──通信費を「実質無料」にする使い方
  7. メリットとデメリット──ユーザー視点からの実態分析
  8. こんな人におすすめ──ライフスタイル別・活用シーン紹介
  9. まとめ──「通信の自由化」を手にする一歩として

第1章:楽天モバイルとは?──企業背景と事業の特徴

楽天モバイルは、ECや金融など多角的なサービスを展開する「楽天グループ株式会社」が提供する携帯電話通信サービスです。楽天市場、楽天カード、楽天銀行などと並ぶ楽天経済圏の中核を担う存在として、2020年に本格的なキャリアサービスをスタートさせました。

もともと楽天モバイルは、2014年に「MVNO(仮想移動体通信事業者)」としてスタートし、ドコモやauなどの回線を借りて格安スマホサービスを展開していました。しかし、それだけでは通信の自由度が足りないと判断した楽天は、自前で携帯基地局を整備し、「MNO(移動体通信事業者)」として、つまり独自の携帯キャリアとして新たな挑戦を始めたのです。

このように、楽天モバイルは「第4の携帯キャリア」として、NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンクに次ぐ存在です。楽天が携帯業界に参入した背景には、次のような理念があります:

  • 料金体系の透明化とシンプルさ
  • ユーザー本位の自由な契約スタイル
  • 楽天エコシステム(楽天経済圏)との連携強化
  • 日本の通信インフラの競争力強化

特に注目されたのが、通信料金の大胆な安さ。楽天モバイルは、「1GBまでなら無料」「最大でも月額3,278円(税込)で使い放題」という、従来のキャリアにはなかった料金戦略で世間の注目を集めました。

もちろん、新興キャリアとしての課題もあります(後述します)が、その挑戦姿勢とスピード感は、旧来の大手キャリアとは一線を画すものがあります。

第2章:料金プランの仕組み──使った分だけ支払う「Rakuten最強プラン」

楽天モバイルの最大の特徴のひとつが、「Rakuten最強プラン」と呼ばれる料金プランのシンプルさと柔軟性です。これは、従来のように「〇〇GBで定額」「超過すると速度制限や追加料金」といった煩雑な仕組みではなく、毎月の使用量に応じて自動で最適な料金が適用されるという画期的な構造になっています。

■ Rakuten最強プランの料金体系(2024年現在)

月間データ使用量月額料金(税込)
~3GB1,078円
~20GB2,178円
20GB超(無制限)3,278円

つまり、ほとんどWi-Fi環境でしか使わない人は1,000円ちょっと、スマホヘビーユーザーでも月3,000円台で通信が使い放題という、極めて分かりやすくコストパフォーマンスに優れた内容になっています。

ポイント:使いすぎた月だけ自動で段階的に料金が上がるため、「使わなかったのに高い基本料金を払う」という無駄がありません。

■ 楽天リンク(Rakuten Link)アプリによる通話料無料

楽天モバイルでは、専用通話アプリ「Rakuten Link」を使うことで、以下のような通話が無料で利用できます:

  • 国内通話:完全無料
  • 海外から国内への通話:無料(Wi-Fiやモバイル通信経由)
  • 海外滞在時の受信:無料

通常、携帯電話キャリアで音声通話をすると30秒あたり20〜40円程度かかりますが、楽天モバイルではアプリ経由であれば定額料金に含まれた形で、追加費用なしで通話が可能です。

■ オプションサービス

楽天モバイルでは、以下のようなオプションも用意されています:

  • 10分(標準)通話かけ放題:月額1,100円(Rakuten Linkを使わない通常アプリ通話でも10分間まで無料)
  • スマホ故障保証プラン:月額715円〜(端末により異なる)
  • データ追加購入:パートナー回線利用時(海外や一部エリア)に高速通信が必要な場合はデータ追加購入も可能

■ 初期費用・契約期間・解約金なし

楽天モバイルの大きな魅力は、初期費用0円・最低利用期間なし・解約金なしという、完全にユーザー本位のシステムです。

  • 契約事務手数料:0円
  • SIMカード発行手数料:0円
  • MNP(電話番号乗り換え)も無料・簡単
  • いつ解約しても違約金ゼロ

この柔軟性は、特に「とりあえず試してみたい」「旅行や短期利用で使いたい」というライトユーザーにも大きなメリットです。

■ 通信制限について

楽天モバイルの「無制限」の定義は、自社回線エリアであれば基本的に速度制限なしでデータが使い放題です。ただし、以下のようなケースでは速度が制限されることがあります:

  • パートナー回線エリア(au回線):月5GBを超えると1Mbps制限
  • 極端に大量の通信を行った場合:公平利用の観点から一時的に制限される可能性あり(混雑回避対策)

■ 実際の月額料金のイメージ

ライフスタイル月の使用量料金例(税込)
自宅メイン、Wi-Fi中心1〜2GB1,078円
通勤中に動画視聴+SNS10GB前後2,178円
外出先でテザリングや動画配信25GB以上3,278円

第3章:通信エリアとネットワーク品質──自社回線+パートナー回線のハイブリッド運用

楽天モバイルに関心を持つ人が最も気になるポイントの一つが、「通信エリアと品質はどうなのか?ちゃんと繋がるの?」という点です。いくら料金が安くても、電波が不安定だったり圏外になりやすければ、メインのスマートフォンとして使うのは難しいでしょう。

楽天モバイルでは、自社回線を全国に整備しつつ、まだカバーしきれていない場所ではKDDI(au)のパートナー回線を利用するという、ハイブリッドな通信構造を採用しています。これにより、比較的新しい通信事業者でありながら、全国的に安定したネットワークを実現しつつあるのです。

■ 自社回線エリアの拡大

楽天モバイルは、MNOとして正式にサービスを開始した2020年以降、自社の携帯基地局の設置を急速に進めてきました。総務省の報告によると、2024年時点で楽天モバイルの4G自社回線の人口カバー率は99.9%以上を達成しています。

  • 大都市圏(東京・大阪・名古屋など)では完全に自社回線エリア
  • 地方中核都市・郊外・地方都市にも急速に拡大中
  • 山間部や離島などでは一部パートナー回線を使用中

楽天モバイルのWebサイトには、リアルタイム更新される通信エリアマップが用意されており、細かい番地単位まで「自社回線か、パートナー回線か」が確認できます。

ポイント:一度スマホで楽天モバイルのエリアマップを確認し、自宅・職場・通勤経路が自社回線エリアかどうかを調べておくのがおすすめです。

■ パートナー回線(au)の補完で全国対応

楽天モバイルのエリアがカバーしきれていない場所では、自動的にKDDI(au)回線へ切り替わります。これにより、山間部や一部の離島などでも安定した通信が可能になっています。

  • 月5GBまで高速通信(5GB超過後は最大1Mbpsで通信可能)
  • 切り替えは自動で行われるため、ユーザーは意識しなくてOK
  • 高速通信を追加購入することも可能(1GBあたり660円)

この「自社+パートナー」の2段構えによって、楽天モバイルは新興キャリアでありながら、事実上全国どこでも使える体制を整えています。

■ 通信速度の実測傾向

通信品質については、エリアや時間帯によって差があるものの、以下のような傾向がユーザーから報告されています(2024年〜2025年にかけての情報ベース):

  • 都市部の自社回線エリアでは、下り50〜100Mbps、上り10〜30Mbps前後で快適
  • 郊外・住宅街でも下り20〜60Mbpsと動画視聴やSNSには十分
  • 混雑時間帯(朝・昼休み・夕方)は10Mbps未満に落ちることもある
  • 地下鉄・ビル内・山間部などはエリアによりつながりにくい場所もある

とはいえ、楽天モバイルは5Gへの対応も進めており、5Gエリアではさらに高速な通信が可能です。ただし、5Gはまだ都市部中心の展開にとどまっています。

■ つながりやすさに対する工夫

  • 4Gプラチナバンド(700〜900MHz帯)の確保を総務省に申請、対応が進行中
  • 5G基地局の設置数増加中
  • 建物内対策・地下対策用の小型基地局設置も強化

これらの取り組みにより、通信品質は年々改善されており、「以前使っていた時より明らかに速く・安定した」という声も増えています。

第4章:サービス・機能の特徴──無制限通話・テザリング・海外ローミングなど

楽天モバイルは、料金の安さやシンプルさだけでなく、付帯サービスや機能の充実度も見逃せません。ここでは、楽天モバイルが提供する主な機能や特長的なサービスについて解説します。

■ 楽天リンク(Rakuten Link)による通話し放題

楽天モバイルが提供する無料通話アプリ「Rakuten Link」を使うことで、次のようなサービスが月額料金内で利用可能です:

  • 国内通話かけ放題
  • 海外→日本の通話無料
  • SMSも無料(一部制限あり)

このアプリを使えば、音声通話を一切の追加料金なしで利用できるため、仕事で頻繁に電話を使う人や家族・高齢の親との連絡が多い人には大きな利点となります。

⚠️ 通常の電話アプリを使用すると通話料が発生するため、Rakuten Linkの利用が前提です。

■ テザリング完全無料

他社ではオプション扱いとなることが多いテザリング(スマホをWi-Fiルーター代わりにする機能)ですが、楽天モバイルでは完全無料。パソコンやタブレットを外出先で使いたい場合にも便利です。

  • 月額料金内で利用可能
  • 速度制限なし(通信量による段階課金はあり)
  • 端末設定で簡単にON/OFF可能

■ 海外ローミングにも対応

楽天モバイルは、海外66の国と地域で無料でデータ通信が可能という大きな特徴もあります(2025年現在)。

  • 月2GBまでの海外データ通信が無料
  • 通話:Rakuten Linkアプリを使えば日本への発信・着信も無料
  • 渡航前の設定不要で、現地でそのまま使用可

長期の海外旅行や、海外出張が多い人にとっては「現地SIM不要」「Wi-Fi探しのストレス不要」という大きな安心材料になります。

第5章:申し込み・解約の流れ──シンプルかつオンラインで完結

楽天モバイルの契約手続きは、他のキャリアと比べて非常に簡単かつスピーディーです。オンライン主体の設計で、店舗に行かずともスマホ1台で完了します。

■ 申し込み方法

  1. 楽天モバイル公式サイトにアクセス
  2. プランとSIMタイプ(物理SIM or eSIM)を選択
  3. 本人確認書類のアップロード
  4. 端末購入 or SIMのみの選択
  5. 数日以内にSIMカードが自宅に到着(または即時eSIM開通)

本人確認書類はスマホで撮影・アップロードするだけでOK。SIMが届いたら、開通はアプリを通じて数分で完了します。

■ 解約方法

  • My楽天モバイルアプリからワンタップで手続き可能
  • 違約金・縛りなし(いつ解約しても0円)
  • MNP転出も無料&即時発行

これにより、「まずは試してみて、合わなければ解約」といった柔軟な使い方が可能です。

第6章:楽天ポイントとの連携──通信費を「実質無料」にする方法

楽天モバイルを利用する最大の利点の一つは、楽天ポイントとの強力な連携です。楽天経済圏を活用すれば、通信費が実質無料になることも珍しくありません。

■ 楽天ポイントの使い道

  • 毎月の通信料金の支払いに充当可能(1ポイント=1円)
  • 自動で使う設定にできる
  • 期間限定ポイントも利用可能(※一部除外)

■ 楽天モバイル契約でのポイント還元

  • 契約時に最大数千〜1万ポイント付与キャンペーンあり
  • 端末購入時にもポイント還元あり
  • SPU(スーパーポイントアッププログラム)で楽天市場のポイント還元率が+3倍

つまり、「楽天モバイルに加入 → 楽天市場で買い物 → 通信費をポイントで支払う → またポイントが貯まる」という、非常にお得なエコサイクルが成立するのです。

第7章:メリットとデメリット──ユーザー視点からの実態分析

楽天モバイルには数々の魅力がありますが、当然ながらすべてのユーザーに完璧に合うわけではありません。以下に、実際の使用者の視点でメリットとデメリットを整理します。

■ メリットまとめ

  • 料金体系が超シンプル&段階制で無駄がない
  • 無制限通話&テザリング無料
  • 海外対応が優秀(特に短期渡航)
  • ポイント還元が豊富で実質負担が少ない
  • 解約金なし&MNPもスムーズ
  • eSIM対応で即時開通が可能

■ デメリットまとめ

  • 地域によっては通信品質が不安定(特に屋内・郊外)
  • パートナー回線利用時は5GB制限がある
  • 楽天リンクアプリの通話品質は通常通話より若干劣ることも
  • iPhoneでの利用時、機種によっては初期設定が複雑な場合あり

第8章:こんな人におすすめ──ライフスタイル別・活用シーン紹介

楽天モバイルが特におすすめなのは、以下のようなユーザー層です:

■ 月のデータ使用量が少ない人

  • 自宅や職場でWi-Fiを使っていて、外では最低限しか通信しない
  • → 月額1,078円でスマホを維持できる可能性大

■ スマホ料金を徹底的に見直したい人

  • 大手キャリアで月5,000〜8,000円支払っている人
  • → 使い方によっては半額以下にできる

■ 海外出張・海外旅行が多い人

  • 日本からの出張者、留学生、短期旅行者など
  • → 現地SIM不要でそのまま使える

■ 楽天経済圏を活用している人

  • 楽天カード、楽天市場、楽天銀行などをすでに利用している
  • → ポイント効率を最大化して通信費を実質無料に近づけられる

第9章:まとめ──通信の「自由化」を手にする一歩として

楽天モバイルは、単なる格安スマホサービスではなく、日本の通信業界の古い常識を打ち破る存在です。使った分だけ支払う段階制、契約の自由、無制限通話、海外対応、そして楽天ポイントとの連携など、ユーザーの自由度とコスト意識に徹底的に寄り添ったサービス設計となっています。

もちろん、通信品質や対応エリアには発展途上の部分もありますが、それ以上に「自由・透明・柔軟」といった価値が、今の時代に強く求められていることは間違いありません。

もしあなたが、スマホ料金の見直しを考えているなら──あるいはもっと自由で快適なスマホライフを送りたいと願っているなら──楽天モバイルは、一度試してみる価値のある選択肢です。

たとえ数ヶ月で解約しても違約金ゼロ。始めやすく、やめやすい。「縛られない通信」という新しい常識を、ぜひあなたの手の中に。